『パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン』:最先端の暮らしがここに!基本原則をおさらい!

こんにちは、jumpeiです。今回はパーマカルチャーの原典「パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン」を手に入れたので、本書をパーマカルチャーについて紹介していきます。


教科書的な本なので、ちょっと難しい言い回しが多いですが、頑張ってついてきてね!


原典が気になる方はこちらからどうぞ!

目次

パーマカルチャーとは 概念とその背景

パーマカルチャー(Permaculture)は持続可能な農業と設計のデザイン体系であり、
持続可能なライフスタイルの構築を支援する革新的なアプローチです。
このコンセプトは、オーストラリアのビル・モリソン(Bill Mollison)とデヴィッド・ホームグレン(David Holmgren)によって1970年代に開発されました。

ビル・モリソンの年表を作ってみました。

1928年   オーストラリア スタンリー にて生まれる
1956年頃~ 森の中か海の上にいる夢のような暮らしをしていたが、自然の消滅に気づき始め
      政治や経済に抗議をし続ける。

1968年  タスマニア大学で教鞭をとる
1974年  デビッド・ホームグレンとひとつの永続的な農業の枠組み
     多年生の樹木や灌木や草本(野菜や草)、菌類、根系などに基礎を置いた多種作物農法
     を考え出し、それを「パーマカルチャー」と呼称
2016年 死去

「パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン」まえがきより

ビルは、28歳ころまでは森の中や海の中で暮らしていました。

しかし、1950年代になってから、自然が消滅しつつあることに気づきます。

そして長年にわたって、政治や産業の仕組みに抗議をし続けていましたが、
反対運動のために無駄な時間を費やすことを憂いて、2年間社会から身を引きました。

その後、生態系全体を壊滅させてしまうことなく、人間が生存しうるような極めて建設的な何かをつかみたい、と考えた結果たどり着いたのが「パーマカルチャー」なのです!


長い間森や海で生活していた彼だからこそ、体系化できたデザインなのでしょうね。

基本原則

ビルモリソンは、良いパーマカルチャーデザインを行うためには、二つの基本的な段階があると言っています。
第一段階は、どんな気候にも文化的条件にも適用しうる法則ないし基本原則で、
第二段階は、気候や文化の違いによって変わるより現実的な技術に密接に関連づけられること。

第一段階の基本原則は、いかなる気候やどんな規模にも適用しうる、パーマカルチャーデザインに共通した基本原則であり、要約すれば以下のようになります。

  1. 相互連関的な位置づけ:(家、池、道路など)一つ一つの構成要素を、相互に助け合うような位置関係に置くこと。
  2. それぞれの構成要素が多数の機能を営むようにすること。
  3. 重要な機能はすべて、他の多くの構成要素によって支援されるようにすること。
  4. 家や居住地(地帯や地域区分)のための効率的なエネルギー計画5 化石燃料資源よりも生物学的資源の利用を重視すること
  5. 家や居住地(地帯や地域区分)のための効率的なエネルギー計画
  6. その土地内でのエネルギー(燃料、人的エネルギーとも)のリサイクル
  7. 好ましい土地と土壌を作り上げるための、植物の自然遷移の活用と加速
  8. 生産性と相互作用性のあるシステムづくりをめざして、多種作物栽培と多様な有益種を用いること。
  9. 接縁部(edge)や自然のパターン的な地形を最大限に活用すること

1 相互連関的な位置づけ

「繋がりの良い配置」と紹介されることもあるこちらの原則。

適材適所に構成要素を配置してお互いを助け合うようにデザインをしよう!という意味です。

例えば、ニワトリ🐓で説明してみましょう。
ニワトリ🐓は『人間だす野菜クズなどの食べ物』を食べます。これをインプットとします。
ニワトリ🐓の役割は、畑を耕してくれたり、鶏糞は肥料になったりします。これをアウトプットとします。
そして人間はニワトリが作った肥料を畑にまき、ニワトリが耕してくれた畑で野菜を育て、食べていきます。
そしてまた『人間が出す野菜クズなどの食べ物』が生まれ、ニワトリが食べ、、、

なんと循環が生まれていきますね!

このように、
1つの構成要素のアウトプットが他の構成要素のインプットになるようにデザイン(配置)をします

そのためには全ての構成要素について、その特徴と、それが必要とするもの(インプット)、その生産物(アウトプット)をよく知っておく必要があるんだ!

2 それぞれの構成要素が多数の機能を営むようにすること

一つの構成要素は、複数の機能を持つものが選ばれるべきである。と言っています。

ニワトリ🐓は、昆虫を食べてくれたり、土を掻いて耕してくれたりと多機能を持っています。
動物だけでなく、例えば池。
池は、灌漑に、家畜の水飲み場にも、水性作物にも防火にもなります。

3 重要な機能はすべて、他の多くの構成要素によって支援されるようにすること

重要な機能というのは、食、エネルギー、水、防火などの生きる上で大切な機能のこと。
その機能を確保する手段が複数あることが望ましい。と言っています。

例えば、暖房。電気やガスだけでなく、薪ストーブでも備えておくことで、緊急時でも対応できるようになります。

そのためには薪ストーブの燃料も確保しておかないといけません。それは果樹の枝かもしれませんし、竹藪の竹かもしれません。あらゆる構成要素によって支援されるようにデザインをしていきましょう。

4 家や居住地(地帯や地域区分)のための効率的なエネルギー計画

この中では、区域計画、区分計画、傾斜の3つに分けて言及されています。それぞれチェックしてみましょう。

区域計画

構成要素の使用頻度によって配置を適切に行うことを意味します。

一番使うものが家だとすると、その次に畑や堆肥小屋、

あまり行かなくても大丈夫な果樹園はもう少し遠く、と言った具合です。

本書では第一区域〜第五区域まで分けています。

区分計画

自然エネルギーをうまく管理し、役立てるように構成要素を適切に配置していくことを意味します。
気をつけるべきは、火災地域、寒風害区、砂塵風区など。
構成要素の適切な配置により火災を未然に防いだり、風を除けたりすることができます。

傾斜

土地の高低を鑑みた上で、雨水タンクや池、などの構成要素の適切な配置をしていくことを意味します。
また、これらの構成要素の配置から、畑や植物の選定などにも繋げていきます。

例えば、
高いところは乾燥しやすいので、乾燥に強い植物を。
低いところに水が流れて溜まっていくので、乾燥に弱い植物を、さらには池に繋げて行ったり。
と言った具合です。

5 化石燃料資源よりも生物学的資源の利用を重視すること

言葉の通りですね。トラクターを使うのではなく、ニワトリやブタに土地を掻いてもらう。
ヤギに雑草を食べてもらう。などです。生物学的資源の構成要素をうまく使っていきましょう。

6 その土地内でのエネルギー(燃料、人的エネルギーとも)のリサイクル

エネルギーの循環とも言います。
外部からのエネルギーは極力自然エネルギーのみとし、そこからのエネルギーをいかに循環させ、使い尽くせるかが求められています。

例えば、高いところに貯水をし、低いところに行くまでに発電、小さな水槽による生態系の利用など、
いかに水のエネルギーを使い尽くせるか、ということです。

7 好ましい土地と土壌を作り上げるための、植物の自然遷移の活用と加速

8 生産性と相互作用性のあるシステムづくりをめざして、多種作物栽培と多様な有益種を用いること。

9 接縁部(edge)や自然のパターン的な地形を最大限に活用すること

エッジ効果と紹介されることもありますね。

さいごに

ということで今回は、パーマカルチャーの基本原則のおさらいをしていきました。

今回は『パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン』をもとに紹介していきましたが、これとは別に

デビッド・ホルムグレンの「12の原則」もあります。こちらはまた別の記事で紹介していきますが、

ビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンで書いている内容に少し違いがありますのでご注意ください。

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